バリュー・クリエーションのブログ

貸し借り

 建築の商売をしていると、業者間での貸し借りと言うのはよくあることです。
時には、物だけではなく人の貸し借りということもあります。
戸建住宅には、基礎ができ、足場が立って、その後に「建て方」という工程があります。
これは「上棟」「棟上げ」、「建てまい」とも呼ばれるもので、大工工事の最初の工程です。

 今時の在来工法では、大工さんがノミやカンナを使って、木材を切り揃えたり加工するようなことは少なくなりました。
より短時間で正確に部材が準備できるよう専門の工場に図面を送り、切りそろえ、穴を開けたりして木材を加工し、これをトラックで建築現場に搬入します。これを「プレカット」と言います。

大工さんは、これをキットのように組み上げて、家の形を作ります。
現在はこの工程を「建て方」とか「上棟」と呼びます。
当然現場にはクレーンが来て、大工さんも5人程度来てくれて、ほぼ一日で屋根まで組上げます。

通常、大工さんは一つの建築現場に、私どもであれば2人体制です。見習いの弟子でも居れば3人という事もありますが、現在は見習いの大工候補生もほとんど見なくなりました。
さて、「建て方」の1縲鰀2日間は大工さんは5人程度、通常は2人です。残りの3人は?

そうです。これが大工仲間の「貸し借り」です。
この手伝いに来てくれた3人の日当はいりません。なぜなら、その大工が担当する現場があるときは、逆に無料で手伝いに行くからです。
もちろん、盆と正月で締めて、相殺し切れなかった手伝い分は、日当を現金で払うそうです。

往々にして、現場から大工が1縲鰀2日抜けてしまうのは、この「建て方」時の「お礼手伝い」が多いのです。
ただ、この手伝いも初めて同志と言う組み合わせはほとんどありません。気心の知れた大工同士が人での貸し借りをするというわけです。

ですから、私どもの現場の建て方のときも、AチームはAチームのBチームのときはBチームの手伝い大工がやってきます。よって。チームごとにいつも同じ顔ぶれで建て方を行うわけです。

台風一過の今日を待っていたかのように、私どもの現場の大工たちは、「お礼手伝い」へ出かけていきました。これから年末まで完成させる予定の現場なのでしょう。

ただ、私どものライバル会社の現場に手伝いに行ったりすることもあるらしく、元請として複雑な気持ちですね。(笑)





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