大阪市立桜宮高校から端を発した体罰問題。
新聞には連日新手の高校や協会、連盟などの名前が取り立たされています。
まさに出るわ出るわの社会問題です。
私も学生時代は運動部に居ましたが、罵声は浴びせられるものの素手や竹刀で叩かれたような思いではあまりありません。人徳のある監督や顧問に恵まれたからかもしれません・・・。
ただ、現在体罰と言われるものは、殴ったり蹴ったりという直接相手からの暴力だけではなく、過度の腕立てや罰則のグランド走り、長時間の正座、罵詈雑言の数々も立派な体罰とカウントされるらしいので、そういうふうになると、私の場合もちょっと話が違ってきます。
私は大学時代も体育会のヨット部で、角帽と学ランで部活へ行かなければならないいわゆる体育会でした。
もちろん、自分の親爺と同年代の監督がいて、ビシビシと鍛えられました。
大会でふがいない負け方をすれば、海へ飛び込まされられたり、三崎口駅までずぶ濡れのまま走らされたり、連帯責任で全員腕立て、さらには相互にバリカンで坊主刈り。
極めつけは、「ごりん」です。オリンピックではなく「五厘」で五厘刈りのことです。ほとんどお坊さんです。今でこそ海老蔵などもスキンヘッドで珍しくありませんが、当時はお坊さんかヤクザもんぐらいでした。
私は長いことボーイスカウトの隊長をしていました。
学校では体罰を禁止されていることは十分知っていましたが、危険を伴なう野外活動の現場では結構厳しくやっていました。
隊集会所には、昔の先輩たちが使った精神注入棒なるものまでありました。さすがにこういう道具までは使いませんでしたが・・・。こういう道具は昭和40年代のボーイスカウトの時代で、今は遠い昔のことです。
私は、時間の遅れや約束の不履行などには、ペナルティを課し、これを一日累積し、善い行いのときは、逆に累積から減額すると言うプラス・マイナス方式で、最後はペナルティの数だけ、班員全員で腕立てです。
隊長や副長は、各班の腕立てに付き合います。各班に付き合うと総数で200回ぐらいの腕立てになってしまいます。最後はヘトヘトです。
でも子供たちは「隊長に腕立てさせるのは申し訳ないから」と自然にペナルティが課せられるような不出来はなくなっていったのは事実です。
さて、それはさておき、先日、新聞に体罰反対、賛成の年代別アンケート結果が載っていました。
大方の予測は、オヤジ年代は言うこと聞かないものへの教育は、体罰なんて当たり前というのかと思いきや、なんとなんと、20歳代縲怩R0歳代は「場合によっては体罰を認めてもよい」が57%で多数を占め、逆に40歳代縲怩T0歳代が「体罰は認められない」が51%、60歳以上では「体罰は認められない」が57%と多数を占めたとのこと。
全体としては「場合によっては体罰を認めてもよい」が41%、「認めてもよい」が4%なので45%が体罰容認と言う結果だったそうな。
世の中で社会現象になるほど騒いでいますが、それほどの数字ではないことに驚きました。
学校や学級運営上、学校教育の現場では、不可避の場合も少なくないのではないかとも思いますが、運動において体罰は百害あって一利なしというのが私も同感です。
私の母校のヨット部は、十年ぐらい前から、旧体育会的な指導方法をやめ、コーチング理論による指導に切り替えたとたんに、めきめきと強くなり、旧体育会的な頃は夢のまた夢とされていた、全日本学生選手権で、全国制覇を連続する強豪校になりました。これが何よりの証拠だと思います。
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