昔、お祭りの見世物小屋に人間ポンプという男が居ましたが、お話は人間加湿器です。
汗っかき人間のことではありません。
人間は1時間に100CCの水蒸気を出すと言われています。4人家族だと一日4.8Lというデータもあります。人間のみならず、家庭内にはお風呂や洗濯物、炊事に至るまで沢山の水蒸気元があります。
1日にひと家族では12Lも水蒸気を出すことになります。
1Lペットボトル12本を家中に霧吹きで撒き散らしたのを想像していただくと分かりやすいですね。
どうです?結構な量でしょ。
この水蒸気は順次空気中に飲み込まれていきますから、目には見えなくなります。
しかしながら、冷たいものに接した途端に元の水に姿を変えます。家の中で冷たい部分の代表選手は窓です。窓ガラスが1枚のアルミサッシなどはてき面です。みるみる水滴が付いて窓辺はびっしょりになります。
その後はそこへカビが発生すると目も当てられません。カビの根は深くなかなか取れにくいんです。
カビの胞子は飛散し、子供たちへの健康を害する根源にもなります。
カビは、だいたい2階の北や北東の部屋に発生します。
ここは、太陽が当たりにくく、冬場の北風でさらに冷やされ、結露が発生しやすくなります。
そこが夫婦の寝室であれば、7時間の睡眠時間としても二人で1.4Lの水蒸気を撒き散らしていることになり、結露もひとしおです。
さて、この結露、どうやれば防げるのでしょうか。
現在の住宅は昔の住宅と頃なり気密度も断熱度が高くなっています。よって、温度差のあるところには結露が集中する傾向にあります。
結露を防ぐには・・・・・
?水蒸気の発生する直火の石油ストーブなどでの暖房を控えること
➁露点を越えない様に室温を高くすること
?樹脂サッシやペアガラスにして、窓辺の温度低下を防ぐこと
?クロゼットの扉を時々開けて空気を入れ替えること
?十分喚起をし、水蒸気を含んだ空気を戸外に排出することです。
そのために、住宅には24時間換気システムが義務付けられています。
ただ、換気も熱交換器がついていないと、室内の湿った空気をファンで排出したら、その穴埋めに外気が室内に侵入してきます。そのときに冷たい空気が入ってくるので、ファンを停めてしまう、あるいは吸気口を閉じてしまうご家庭が多いんです。
換気は、設計したときに換気計画や換気ルートも計算してあります。これを止めてしまうと、水蒸気はおろか二酸化炭素で汚れた空気も留まる事になります。
この頃、アフターメンテナンスで非常に多いのがカビの発生です。
24時間換気や吸気口でもつけ忘れや換気をしていないなどのケース以外、普通に建築しているのであれば、カビの大量発生はほとんどないと思います。
アフターメンテナンスでお伺いして、お話しすることは、冬の間はつとめて生活パターンを少しだけ変えてくださいとお願いしています。
だいたいの場合、それで防げているけーすが多いようです。
カビの発生原因が人間加湿器である自分だったなんて、洒落になりませんから・・・。
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