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すごい大工さんのはなし

現場で〝いっぷく〟している時、大工の伊藤さんがまだ年季明けしてすぐの頃に

「すごい大工がいた」事を語りはじめました。


伊藤さんは、まだ20代そこそこで年季が明けてから、

福島は会津のいなかから出てきたそうです。今から30年も前の話しです。

まだまだ経験もなく知り合いも少ない東京の多摩地区で、

ようやく材木屋から一軒の新築工事を紹介されました。

大工さんの基本的な仕事は、建物全体の木工事(構造から下地まで)を担当します。

その材木屋の加工場で、すでに5人の大工達がそれぞれの担当する建物の墨付けし材木を刻んでいました。

その内の年齢ならば50も後半の大工さんが、

他の人の倍もある材木を次々と墨を付け、刻み加工をこなしていきます。

あまりの材木の多さに本人に聞いてみると、なんと二棟分の材木を加工しているとのこと。

それも他の大工が一棟終わるか終わらない間に二棟分の材木を加工してしまうのです。

つまり倍の量を同じ時間でこなしてしまうと言うことです。

現代のようにプレカットもなくフォークリフトもいくつもない時代の話です。

倍の材木を手加工してしまうなど信じられない話です。

そこで伊藤さんはその人を一日じっくり観察してみました。

するとその大工さんは、朝一時間ほど図面や手板(自分で板に書いた材木の加工図)を見ていて、

その後作業に入ると、いっさい図面も手板も見なかったそうです。

それなので道具や材木が手から離れることがなく、

よどみなく作業が進みまったく手が止まることがなかったそうです。

「朝、手板見てるだけで、 全部頭に入れちまうんだろうなー」 と伊藤さんが思い返すように、


〝すごかった〟と感嘆しきりにしゃべっていました。


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今なら80台であろう佐藤大工にはその後会っていないと言っていました。 

そしてその話しには後日談がありまして、同じ加工場にいたほかの大工さんで、

その佐藤大工に負けじと、かってに戦いをいどんだ大工さんがいました。

なんとその大工さん、その後亡くなってしまったそうです。


仕事のやりすぎで現代で言うところの〝過労死〟だったそうです。


スーパーマンの佐藤大工にいどんで、敗れた結果が亡くなってしまうと言う後日談が人づてに伝わり、伝説の佐藤

大工の神話が人知れず伝わっているそうな。


けれども、この話しを語ってくれた伊藤大工さんだってすごく優秀な職人さんです。


彼のおかげで要求の高いお客様の現場を、いくつもこなしてきているのです。



感謝!感謝!




そして、 武藤の親方





先ほどの佐藤大工並みのスーパー大工さんはこの人でしょう。

足場にあがって採寸した長尺物を、下で加工して足場に上がれば、どれもびったりの

納まりです。〝ちょっと長い、すこし短い〟なんて事がまったくなく、

角が気持ちよく、納まるのです。 両手で持って〝たわんでしまう〟ような長さの

材料をですよ。 ホント見ていると気持ちがよいぐらい綺麗に納まるのです。

大工さんの技量が分かるのは、木造の増改築工事です。


武藤の親方は、難しい現場を 的確な判断と指示 で、

いつも見事に仕上げてきました。



おふたりのほかにも、

うちの現場に入っている  大工さんも職人さんも、


優秀で頭のいい人ばかりです



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そして、若いバリバリの職人だってちゃんと育っています。

技能が必要な現場には、優秀な職人さんが集まってくるものなのです。  


これからも、ステキな住宅を造り続けていきます。

家づくりの小冊子