『新築住宅のエコキュートの運転音を巡って、隣人が、メーカーと住宅会社を相手に損害賠償を請求する訴訟を起こした』というニュースを聞いたことがあります。
こういう被害は収まるどころか、じわじわと増えていることを、あなたはご存じでしょうか?
■ 『メーカーと住宅会社を相手に』?
冒頭に書いたように、隣人が訴訟を起こした相手は『メーカーと住宅会社』です。
ここに『新居の所有者』は含まれていません。
これは、「新居の所有者は素人だから無知だったのかもしれない。しかし、メーカーと住宅会社は低周波音被害について知っていたはずなのにきちんと施工しなかった」ということでしょう。
■ でも、近隣の人にとっては加害者
エコキュートやエネファームは、深夜に長時間運転音を響かせます。
その音がきっかけで低周波音被害に悩んでいる人は、「あの住宅会社のせいで・・・」とは思う人より、「隣りに○○さんのせいで・・・」と思う人の方が多そうですよね。
そんな状態では、近所といい関係を築けるわけがありません。
そんなことにならないよう、最低限のことは知っておきたいものです。
■ 設置場所を選ぶ時のポイント
重要なのは、運転音が周囲に影響を及ぼさない場所に取りつけること。
・ 建物の所有者宅の寝室だけでなく、隣接する家の寝室のそばも避ける
・ ヒートポンプユニットの近辺(上方向を含む)に窓や床下通風口等の音の侵入口があれば、極力距離をとる
・ ヒートポンプユニットの周辺に極力スペースを設け、壁や塀で音が反射しないように工夫する
■ 設置のポイント
・ 音や振動が増大しないように、強固な台に設置する
・ 振動による音が発生しないように、十分な強度がある場所に設置する
・ 防振ゴムを敷くなどの、振動の軽減措置を施す
・ 水平に備え付ける
あなたが低周波音問題の原因を作らないようにするために、設置場所や設置のポイントは、できるだけ覚えておいてください。
「水周りに近いから、ここに設置しますね」
と業者に言われた時、あなたが「運転音でお隣りさんに迷惑をかけたくないから、多少距離が延びても道路側に設置してください」といった提案をすることができるでしょう。
逆に、お隣りのヒートポンプユニットが自分の土地の方に向いていたら、「こっちは低周波が心配だから、お風呂・トイレ・クローゼットなどにして、家族の健康を守れるようにしよう」と考えることもできますよ。
ただ、家の密集具合によっては、この方法で設置しても運転音が迷惑をかけることもあります。
普及すればするほど、こういったトラブルは増えていきそうですね。
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