バリュー・クリエーションのブログ

仁義礼

 一昔前の東映ヤクザ映画のタイトルではありません。
仁義の後ろにが付されています。

 私どもがお金を頂戴するお客様であれ、お金をお支払いするお取引業者様であれ、心がけている商いのスタンスです。ここへは値段の介在する余地はありません。当然、これに共鳴して下さるお相手のみお付き合いすることにしています。

 お取引業者様であれ、お客様であれ、このスタンスに共鳴できないのであれば、二度と訪れない今と言う貴重な時間を使い、お互いに商いをする意味がありません。

逆に労力を使い合うだけ空しさが残る結果となります。それであれば、最初からお付き合いしない方がお互いのためでもあります。

さて、昨今業界の好景気、さらには公共事業の増大、宮城県の復興、消費税値上げの駆け込みと、業界バブルです。
このため職人不足が深刻ですし、さらに足場不足も恒常化しています。一部の業者などは、一気に仙台特需へと完全に舵を切ったところもあります。

 このような状況下、弊社でお願いしていた足場の業者さんが、手の裏を返しました。Sリースという会社です。

当社へ取引を申し込んでこられたときには、新参なので、今出入りしておられる業者より破格値でやりますから、少しだけお仕事を回してくださいというものでした。
営業マンのあまりの悲壮さに、足場業者の中に加えることにしました。

 社長さんもご挨拶にお見えになり、とても頭の低いにこやかで人の良さそうな社長さんで、快くお取引を始めさせていただきました。

ところが、昨年の今頃から工事開始の2ヶ月前でないと受注を受けられないとことでした。
忙しいのだろうと、こちらも2ヶ月前に発注しておりましたが、土壇場になると向こうからドタキャンです。その後、営業担当の携帯は、呼び出し音だけ空しく響き、まったく電話に出なくなりました。

この非礼に業を煮やして、社長の携帯に直接電話しました。非礼を詫び、何とかしますとの話でしたが、それからは全く音信不通です。あれから1年になります。

 昨日、風の便りに聞きました。この業者さんは、全ての足場を仙台に持って行き、数倍の値段で商いをして荒稼ぎをしているとの事でした。12月の決算は史上最高の対前年比3倍の経常利益をたたき出し、左団扇で笑いが止まらないそうです。

あの社長さんも人が変わったように、山形の市場など捨て置け!稼げるときに稼ぎまくれ!と大号令してると聞き、耳を疑いました。

発注量の多い、大手ハウスメーカーや有名地元ビルダーなどもここから足場を借りており、私どもと同じ状況で、十数社が同社との取引を永久停止としているそうです。

経営者なら、目の前の利益を鱈腹食いたいというのは分からぬでもありません。
しかしながら、地元のお客様に大迷惑を掛けて、暴利を貪るのはいかがなものかと思います。

商いは、食うか食われるか、奇麗事だけでは通用しないというのももっともなことでしょう。ただ、最低限守らねばならない仁義礼義はあってしかるべきだと思うのです。

 仙台の復興バブルはせいぜい続いて5年。その後この業者はどうするのでしょうか。
山形に帰ってきても取引に応じる業者はありますまい。
5年で一生分の利益を稼げるはずもなく、たかだか数億の金で、従業員を含めて会社の行く末を危機に晒すなどということは、経営者として最も恥ずべきことであると思います。

人のふり見て我がふり直せという諺もあります。
私どもも、銭金に目がくらみ、ゆめゆめかくならぬよう、反面教師として戒めなければなりませんね。





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