T&Tのブログ

読書雑感 2013年2月

(2013.2月)

1.「世界から猫が消えたなら」川村元気・著
今年4月に発表される本屋大賞候補の作品。千歳空港に本屋があったのでブラッと入ると平積みにされていたので早速買って沖縄行きの機内で読んだ。厚い割には、会話調の文体が多いので2時間程で読める。この作家、これがデビュー作と言うが、1979年生まれの若手映画プロデューサーで、「告白」「悪人」「おおかみとこどもの雨と雪」等は彼の製作と知った。僕は3作共見たが中々面白くみた。さて、ある30才の男がガンで死を宣告される。そこに悪魔がやって来て、こう囁く。世界でひとつづつ地球上から消す度に君の命は一日延びると。彼はこの提案に乗る。先ず一つ目は携帯電話。成程・・・。次に映画と来た。最後に見る映画は初恋の人が勧める映画館で二人で見ることに・・・。この辺りは、本職だけあって興味深い。そして、悪魔が彼の飼い猫のキャベツ(猫の名前である)を見て、この世から猫を消そうと言いだす。さて、彼はどちらを選択するのか?猫の存在か、自分の死か。この作品は、文章力というより発想と構成の上手さで読ませる。たいしたもんだ。お勧め!

2.「仕事の見える化」 長尾一洋・著(中経出版)
   「見える化」と言うことばは、ビジネスでは良く使われる。さて、具体的にというと、理論上は色々言えても、全社的に実行するのは難しい。この本の中で、日報をスマホかPCのメールでとの提案があり、これは試してみる価値がありそうだ。

3.「男の貌(かお)」 高杉良・著(新潮新書)
  東京へ出張に行ったおり、時間があったので浜松町駅構内の書店で買った4冊の新書の内の一冊。帰りの飛行機の中で一気に読んだ。経済小説家の著者が、過去に取材を通じて出会った経営者たちについて書いた評論。今の日本にはリーダー不在ではという指摘。リーダーには、勁(つよ)さと、優しさが不可欠であると。つよさの漢字にこだわりがある。俎上に上がるのは、中山素平、森和夫、八谷泰造、坪内寿夫さんやその他の経営者の面々。ビジネスマンには面白い。

家づくりの小冊子