経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、「資源エネルギー政策の見直しの基本方針」(案)で、2030年までに、家庭部門から排出される二酸化炭素を半減する目標を掲げています。
・・・少し硬い内容になってしまいましたか?
どうしてこれを取り上げたかというと、これから家を建てようとする人にあれこれ制約が出てくるからです。
2030年までにエネルギー収支ゼロの住宅を目指しているので、「すべての住宅で省エネ家電を使いましょう」とか「照明はLEDなどの高効率なものだけを使いましょう」など、様々な提案をしていますが、
「他に使いたいものがあるのに」と、こだわりがある人には困った内容です。
わが家で17年頑張ってくれている冷蔵庫も、ドキドキしていることでしょう。
「寿命が来るまで働かせてよ」と言っている(ように感じる)ので、頑張ってもらっているのですが・・・!
家庭用の高効率給湯器(エコキュートなど)は、2020年までに単身世帯を除くほぼ全世帯に、2030年までに全世帯の8~9割に普及させたいそうです。
2009年、国内の二酸化炭素大気中濃度は過去最高になり、早急な対策が必要なのは、十分理解できます。
「だけど・・・」と、この記事を読んでいて、昔の事をふっと思い出しました。
私の子どもの頃、お風呂は五右衛門風呂のような感じでした。
マキを運んだり、火の番をしたりと子どもなりに手伝っていました。
風を避けながら火をつけたり、勢いを加減したり。
煙で涙が止まらなかったり、褒められたり叱られたり。
九州の知り合いの話です。
昔、知り合いの実家では、瓦の上に載せた、タイヤのチューブのような丈夫なものに水を溜め、お風呂のお湯に使っていたとか。
蛇口をひねればお湯は出たのですが、光熱費節約方法だそうです。
あちこちの屋根にあったそうで、当時は流行っていたのでしょうね。
夏はヤケドしそうに熱く、冬はぬるく・・・。
また水を溜めるときには、兄弟が交替で見張りをして、「溜まったよ~、止めて~、はやくはやく~」 なんてやっていたそうです。
○○○ソーラーが大流行した頃、それを設置したので、それからは『子どもの仕事』が一つ減り、お風呂の準備が楽になりましたが、それまでの経験は、とてもとても貴重なものだったと
歳を重ねるほど感じているそうです。
火の怖さを知ったり、責任のある仕事をさせてもらったり、不便だったからこそ経験できた事があるんですね。
環境は大切です。便利さも大歓迎。
でも、その影で失われていくものは確かにありますよね。
私は、自分が便利に慣れて、生き抜く力がなくなっているような自覚があります。
あなたはいかがでしょうか?
これからは建てたい家に制約が増え、暮らし方にまであれこれ注文がつくかもしれません。
ムダに水や電気を使わないのは当然ですが、温暖化対策を考えるには、少しだけ視野が狭いかもしれないな・・・と思います。
日本には地域ごとの気候に合った暮らし方があるはずなのに、同じように規制していったら・・・。
100年後はどんな国になっているんでしょうね。
もし、タイムマシンがあれば、未来を見てみたいものです。
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