前回まで、自然素材の長所・短所についてお話ししました。今回は、建築を予定している皆さんがどのように考えているのかについてです。
ところであなたは、「化学物質」という言葉に対してどんなイメージを抱きますか?
平成22年8月に内閣府政府広報室が発表した「身近にある化学物質に関する世論調査」で「化学物質に抱くイメージ」を尋ねています。
「危ないもの」と答えた人は69.7%(複数回答)。
次いで「現在の生活になくてはならないもの」が25.5%。
また、「家の内装や建築材料に含まれる化学物質に『関心』がある」と答えたのは、52.7%(複数回答)。
「家の内装や建築材料に含まれる化学物質に『不安』がある」と答えたのは、44.7%。
日頃から、体に悪い物質を排除する生活を心がけているものの、化学物質は種類が多く、よく分からない存在。そこに漠然とした不安を抱くので、対極的な『自然素材』という言葉に反応するのかもしれません。
建築希望者が「自然素材」に抱くイメージは
・ 体にいい
・ 見た目がいい
・ 癒し効果、心地よさ
・ シックハウス対策
・ 何となく安心・丈夫そう
といったもの。彼らの8割弱が、自然素材を取り入れたいと考えています。ただ、その特性を十分に理解している人は少なく、そこがトラブルのもとにもなっているのが現状のようです。
アレルギーを持つ子どものために自然素材を選んだ人と見た目がいいから何となく選んだ人では、素材の短所に対する許容範囲が違うのは当然かもしれませんね。
例えば無垢材。
「ヒノキ」「スギ」「ヒバ」「パイン」「ナラ」「カバ」「キリ」・・・。実にたくさんの種類があります。
それぞれが果たせる役割も違うので、よほど知識のある業者でないと適材適所に使うことは難しいように感じます。
また、業者が100%自然素材のものと認識していても、そうでない場合もあります。
昔ながらの家づくりなら安心でしょうが、現代の性能も取り入れたいと考えるなら、自然素材のどんな働きを取り入れたいのかを考えることが大切だと思います。
そして、出来るだけOBさん宅を見せてもらうこと。室内でしばらく過ごして、アレルギー反応が収まった、その香りに癒された、という体で感じる反応があれば、その家づくりは、あなたに合っていると思えます。
あとは業者との相性。方向性や人間性が合えば、よりよい家づくりができるでしょう。
自然素材が流行しているから、ということでそれをアピール材料にしている業者がいます。
実際は、一部にしか取り入れていない業者もいるんですが、一般の人が見分けるのは、かなり難しいかもしれません。
家づくりを、家族だけで進めることは難しいものです。OBさんや私たちなど、積極的に利用して、より幸せに暮らせる家づくりを目指して下さいね。
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