T&Tのブログ

9月の映画鑑賞記

子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に50~60回は映画館に足を運ぶ。

1.「許されざる者」
同名の1992年のオリジナル版は、クリント・イーストウッドが監督・主演でアカデミー作品賞等を受賞。イーストウッドが最も油が乗っていた頃だ。それから20年の時を経て日本でリメイク。舞台はワイオミング州を「蝦夷(えぞ)」と呼ばれた頃の北海道に置き換え、時は同じく、1880年。
イーストウッドに対して、渡辺謙は幕末に人切り十兵衛と恐れられた男。その相棒柄本明はモーガン・フリーマン、町の支配者ジーン・ハックマンに対するは佐藤浩一。しかし、3者共オリジナルの演技の迫力には及ばない。監督の「フラガール」「悪人」の李相日も、名匠イーストウッドと比べる事自体失礼だ。何も、この映画の出来が悪いという訳ではない。北海道の自然にしろ、日本の役者にしろ頑張っているが、オリジナル版が良すぎたのだ。
★★★

2.「ペーパーボーイ」
フロリダの小さな町でジャックは大学を中退し、父親の新聞社の新聞配達(ペーパーボーイ)をしているが毎日が退屈だ。そんなある時、獄中の死刑囚との結婚を決めたシャーロットと出会う。この女が色気たっぷりでフシダラ。演ずるのはニコール・キッドマン。この女優、トム・クルーズと別れた後演技開眼し、アカデミー主演女優賞も獲得。しかし、だらし無い女の役をよく引き受けたものだと感心。
さて、ジャックの兄が黒人記者と二人で町にやってきてシャーロットの結婚相手の死刑囚が冤罪ではと調査に乗り出すが…。そこは人種差別が未だ続いている1969年のフロリダ。奥に入るとワニが居る沼地だ。真実は?そしてラストへ。ジャックもその兄ウォードも、そしてシャーロットも哀しい人生だ。
★★★

3.「エリジウム」
2154年の地球、舞台はロスアンゼルス。環境破壊により富裕層は宇宙に建てたコロニー「エリジウム」に住む。地球に住むマックス(マット・ディモン)は事故で被曝し余命5日。生きる為にはエリジウムに行き治療する必要があるが、さて侵入するのは至難の業。そこに闇商人が絡み、エリジウムの防衛省長官に久方ぶりのジョディ・フォスター。彼女はエリジウムの支配者の座を狙い、特殊部隊にある指示を与える。まあ、ジャックの体に闇商人が武装スーツを装着する手術をしたりでアクションシーンやら満載だが…。
この監督の前作「第9地区」は南アフリカを舞台にしたSFで面白かったがネ。
★★★

4.「サイド・エフェクト」
監督はスティーブン・ソダ―バーグ。10年も前に「トラフィック」でアカデミー賞監督賞を受賞。その翌年はリメイク版の「オーシャンズ11」で痛快娯楽映画を撮ったマルチな才能の持ち主である。そのソダ―バーグがこの作品を最後にすると言う。未だ50歳。さて、彼の才能はどこに向かうのか…。
題名のサイド・エフェクトは薬の副作用という意味。舞台はニューヨーク。インサイダー取引で刑務所に入っていた夫が4年ぶりに出所する。妻エミリーは義母と共に迎えに行く。ところがエミリーはその間に鬱(うつ)が再発し、駐車場で自殺未遂を起こす。病院で担当医になったのがジュード・ロウ演ずる精神科医。以前の主治医(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に連絡を取り当時の処方薬の情報を得る。今回はメーカーに頼まれた新薬を処方するが…。しかし、副作用の夢遊病で夫を刺し殺してしまう。とまあ、これで終わるハズが無いのがソダ―バーグ。エミリー演ずるのは「ドラゴン・タトゥーの女」で強烈な印象を残したルーニー・マーラと来たら尚更だ。昔、名作「カッコーの巣の上で」という映画で、ジャック・ニコルソンが罪を逃れる為にふざけて精神病棟に入院したが、医師と看護婦の処方で本当に気が狂ってしまった。今は統合失調症という訳のわからない病名だが…。ウツも精神科医も薬も恐い恐い…。
★★★



(評価)
 ★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
 ★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
 ★★★ それなりに面白い。 
 ★★ お暇ならどうぞ。 
 ★ 金と時間のムダ。
家づくりの小冊子