T&Tのブログ

4月の映画鑑賞記

子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に50~60回は映画館に足を運ぶ。

1.「シュガーラッシュ」 
 ディズニーアニメ。本来ならば見る気は無かったのだが、映画好きの一倉会の先輩からメールが来て面白かったというので足を運んだ。ゲームセンター内のゲームの中のキャラクターがゲームセンターの閉店後、人間と同じように自由に楽しんでいるとの設定がユニークだ。悪役のキャラクターが一同に集まり、各自が自分の悩みを告白し、聞いている廻りはウンウンと肯いて聞く。アル中患者の会みたいで面白い。気分転換にはなるが、映画館では子供が五月蠅(ウルサイ)。
★★★

2.「コッホ先生と僕らの革命」(独) 
 今では考えられないが、第一次世界大戦前のドイツでは、サッカーは敵国イングランドのスポーツとして忌み嫌われていたとは。そこへ、ある私立高校にイギリス帰りのコッホ先生が英語の先生として赴任する。当時のドイツは規律に厳しく、貧富の差が激しい階級社会である。生徒もコッホ先生の英語の授業を真剣に受けようとしない。そこで、コッホ先生はサッカーを教え乍ら授業をする。その内、生徒達がサッカーゲームに夢中になるが、大人や他の先生や国家の邪魔が・・・。1911年の実話だから今から100年前の話。現在では、サッカーの1試合平均の入場者数はドイツが4万5000人で2位のイングランドの3万5000人を大きく引き離しての1位。因みに日本のJリーグは1万8000人だ。100年前のコッホ先生の奪闘が無ければ・・・。
★★★

3.「ヒッチコック」 
 サスペンスの神様ヒッチコック監督がまさか映画になるとは。中学生の頃か、「鳥」を観て、衝撃と共に、一体どのように撮影したのか不思議でならなかった。「鳥」の前に撮影したのが「サイコ」だったとは!この映画、「北々西に進路を取れ」の後に、ヒッチコックが猟奇殺人事件をヒントに企画して、パラマウント映画に提案するが、会社はホラー映画に出資はせぬと言う。ヒッチコックは邸宅を抵当に入れ80万ドルの借金で自ら製作に乗り出す。妻アルマは、ヒッチコック映画の最大の理解者で、尚かつ編集者で脚本家でもある。サイコ撮影中に、アルマに仄かな恋心が芽生えたり、夫婦関係の危機を乗り越え、映画「サイコ」は遂に完成する。しかし、パラマウント社は2館のみでしか上映を許さない。そこで、ヒッチコックは自ら宣伝手法を考える。ヒッチコック映画で最大のヒット作「サイコ」の誕生秘話が面白い!主役は特殊メークでヒッチコックを再現したアンソニー・ホプキンス、そしてヘレン・ミレンのアカデミー賞俳優。サイコで有名なシャワーシーンで殺される女優に大好きなスカーレット・ヨハンソン。最近の日経新聞に、プロが選ぶ歴史上NO.1の映画に「市民ケーン(オーソンウエルズ監督・主演)」を押さえてヒッチコックの「めまい」が選ばれたとあった。早速、ヒッチコックのDVD作品「めまい」「サイコ」「鳥」の3本借りて観た。劇場に走る前にこの3本を見て行く事を勧める。特に「サイコ」は勿論だが、「鳥」も必ず!しかし、ヒッチコックはよく飲むなアー。独断でオマージュを捧げて星5つ!
★★★★★

4.「王になった男」 韓国
 韓国の俳優では、イ・ビョンホンは良い役者だと思う。時代は、豊臣秀吉が6年に渡る朝鮮出兵から撤退して、その10年後に即位した15代目の王・光海とその影武者の物語。暗殺で危く一命を取り止めた王の影武者を命じられた庶民ハソン。
その15日間に、国家を左右する法を制定し、側近からその度量に一目置かれるが・・・。王を狙う一味の陰謀、そして王女が疑い始める。実在の王と影武者の物語は黒澤明の映画が有名。それ程重厚な作りでは無いのは当然だが、韓国の当時の王朝の舞台裏が興味深い。まあ、イ・ビョンホンの魅力だなこの映画は。
★★★★


5.「もうひとりのシェイクスピア」
誰でも知っている史上最高と言われる劇作家シェイクスピア。彼が活躍した1600年前後から400年もの間、自筆の原稿は一切見つかってないそうだ。そこで、ウイリアム・シェイクスピアは、大英帝国黄金時代を築いたエリザベス1世に愛されたオックスフォード伯爵ではないかと仮設をたてた映画がこれ。
当時、貴族の間では演劇は低浴とされていたが、オックスフォード伯爵は戯曲を書き溜めていた。彼はどのようにして発表して、英国民は何故その舞台に熱狂したのか。ロミオとジュリエット、ハムレットそして最後のリア王で彼の運命は・・・。
王朝を舞台に権力と陰謀が渦巻く。当時の街並みを再現できるのもCGの力か。しかし、ロンドンでの学生時代にシェイクスピアの舞台を観た時には、その英語が全く理解できなかった。
★★★


6.「リンカーン」
 世界中で尊敬されている、アメリカ大統領リンカーンの最後3ヶ月間の物語。1865年1月、奴隷制度の存続を巡り、南部は合衆国を脱退し、南北戦争が始まり既に4年に及ぶ。大統領に再選されたばかりのリンカーンはこのまま戦争に終止符を打っても、憲法を改正せねば法的に奴隷制度が存続してしまう事を危惧し、議会対策を急ぐ。上院は共和党の多数で可決。しかし、下院は民主党が多数派だ。このあたりは、日本の衆参ねじれ国会と全く同じ。下院の共和党長老は勿論賛成派ではあるが、真正直すぎる論舌が敵対する民主党からすると、失言を引き出し新聞に叩いて貰おうと論戦を仕掛けるが・・・。このカツラを被った長老役のトミー・リー・ジョーンズが最後にニンマリさせてくれる。日本では、缶コーヒーBOSSのコマーシャルで有名か。このリンカーンは清濁合わせ飲む度量だ。民主党相手に多数派工作をしかけろと幹部に命ずる。困難な仕事なので、この幹部が聞く、「YES、しかしどのように」と。リンカーンが怒り叫ぶ。「私は絶対権力を持つアメリカ大統領である。その大統領が命令しているのだ!」社長として、喝采を叫んだ。具体的な指示を受けないと行動できぬなら幹部では無いというわけだ。しかし、今や巨匠となったスピルバーグ監督の作品ではあるが、議会の攻防の3ヶ月間のテーマでは映画としても盛り上がりには欠ける。主演のダニエル・デイ=ルイスはこれで史上初の3度目のアカデミー主演男優賞。この役者は本当に上手い!
★★★



(評価) ★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
      ★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
      ★★★ それなりに面白い。 
      ★★ お暇ならどうぞ。 
      ★ 金と時間のムダ。
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