日本の建物の寿命は30年前後と言われています。
それは、材料の多くが工業製品でできているためです。工業製品は、年月が経つほどに古ぼけた印象になっていきます。
しかし自然素材の建物の場合、年月が経つほどに味わい深いものとなります。
といっても、自然素材は工業製品より一般的に高価なので、「自然素材の良さは分かっているけど手が届かなくて・・・」と、最初から対象外として考えているかもしれません。
でもそれは、大きな勘違いかもしれませんよ・・・。
■ 安くて早い。シックハウスの心配がなくならない
新建材を使うと、自然素材より安く新築できるし、工期も短いものです。
だから、コストを抑えて早く新築したい人には打ってつけです。
しかも、自然素材を取り扱う時のような技術も要らないし、反ったり曲がったりしないので、経験が浅い職人でも家づくりができます。
ただし、新築した時が一番美しく、あとは年々劣化していくだけです。
何より困るのは、建材や接着剤などによるシックハウスの不安が付きまとうことです。
■ 高くて長寿命。しかも健康を守ってくれる
自然素材は、人と同じように呼吸をしています。
だから、反ったり曲がったり、割れたりすることがあります。
でもそれは、室内の湿度を調整しているから。
それに、最低限の加工しかしていないので、家の中で森林浴をしているような気分を味わうことができます。
また、自然素材の家はシックハウスの原因になるものを使わないので、家族の健康を守るには理想的かもしれません。
あなたもご存知のとおり、子どものアトピーやぜんそくがきっかけで都心から郊外に引っ越す方がいますよね。
同じように、家族の健康のために、新建材の住まいから自然素材の住まいに移り住む人もいるんですよ。
■ 最大の違いは??
工業製品は無機質です。だから、時間が経てば経つほど、愛着が薄れていきます。
新しい間は、無機質な短所をデザインや性能でカバーできるでしょう。
でも、10年、20年と住み続けるうちに、デザインも性能に不満を感じるようになります。
一方で、自然素材を最初に選ぶ人は、「高価だけどこだわりたい」と、大きな覚悟を持って家づくりをしています。
金額だけでなく、反り・曲がり・割れのことも承知の上です。
だから、家に対する思い入れの深さは、最初から違います。
当然ながら、住み続けている間の満足感も違います。
しかも自然素材の方が長寿命なので、後々の費用を抑えることができます。
後々の費用と、住み続けることで感じる愛情の深さ。
それが最大の違いといえるのかもしれません。
■長い目で見ると、高価とは言えないのでは?
一般的なハウスメーカーでは、自然素材での家づくりは難しいようです。
彼らは、短期間で次々に家を建てる必要があります。
そうでないと、たくさんのスタッフを養えないからです。
また、自然素材はその地域の気候や風土に合ったものを使うので、「寒冷地域」「温暖地域」と大雑把な分類をしている業者の場合、その土地に合わせた家づくりをすることは難しいんです。
あれこれ考えてみると、その土地を知り尽くしている業者に、その土地に合った素材を使って家づくりをしてもらうのが、一番理想的かもしれないですね。
あなたにとって、自然素材が本当に高価なのか、後々の費用負担と満足度といった視点から、もう一度考えてみるのも良いかもしれません。
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