間取りを描いた図面を見るのは楽しいですね。そこに記された寸法を見て、「キッチンの広さはこんな感じなのね」とイメージを膨らませている時は、本当にワクワクするものです。
しかし、実際に完成した住まいを見た時、「あれっ、図面よりも狭くない?」とガッカリする人もいるとか。
その狭さが、業者と施主のトラブルを招くこともあるそうです。
その原因は、業者の常識が、一般の人の常識ではないことにあります。
■ その数字の意味は?
例えば、階段の幅を900mmと書いてある図面があるとしましょう。
(図面に記されている数字の単位は、すべてmmです。)
その場合、建築の知識がない一般の人が「階段の左右の壁の間が90センチあるのね」
と解釈するケースがあります。
残念ながら、それは間違いなんです。
その数字が表しているのは、右の壁の芯(中心)と左の壁の芯の距離です。
ですから、実際の空間は、柱や壁の厚みの分だけ減ることになります。
■ 例外は外壁
外壁は、断熱の方法などにより、内側を優先するか、外側を優先するかが違ってきます。
詳細な図面を見ると分かるのですが、わかりにくい場合は、業者に尋ねるといいですね。
■ 自分の常識が相手の常識ではないことがある
建築業に限らず、いろんな業種ではその道の常識があります。
年齢によっても、それぞれの世代での『常識』は違いますよね。
自分にとって、それが『常識』だった場合、相手が知らないかもしれないと想像できないことがあります。
図面の芯の問題にしても同様です。
あなたが新築する時、この問題以外にも分からないことが出てくることでしょう。
そんな時は、遠慮せずに業者に尋ねてください。
もしかしたら、彼らは「これはみんな知っていることだろう」と、説明する必要があることすら気付いていないかもしれませんから。
■ わずか10センチ程度狭くなるだけでも
幅900mmと記載してあった場合、実際の幅は800mm前後になります。
大柄の人だったら、ちょっと窮屈に感じるかもしれません。
実際の幅が900mmだと解釈して、引き渡し前に家具を購入していた人は、設置できなくて困っているかもしれません。
出来上がりの空間がどれくらいになるのか、案を練り上げている途中で、その都度確認してみましょう。
最初の頃にイメージをつかめると、後々ラクだと思いますよ。
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