あなたは、ペレットストーブをご存知ですか?
以前は、欧米を中心に普及していたんですが、1990年代後半頃から国内の中小メーカーが製造するようになり、日本でも徐々に知られるようになりました。
木質ペレットの原料は、間伐材や製材所などから出る端材や、おがくず・かんなくずなど。
それらを顆粒状に砕き、圧縮します。
このとき、木材の構成要素の一つである「リグニン」という物質が接着剤の役割を果たすので、余計なものは入っていません。
ペレットの大きさは、長さ1~2センチ、直径は6~12ミリのものが主流です。
廃材として処分しないので、環境にやさしいですね。
さらに最近では、化石燃料(灯油など)を使わない暖房方法として注目されています。
でも、「ペレットを燃やすと二酸化炭素が増えるでしょ?温暖化に影響を与えないの?」という疑問も湧いてきますよね。
確かに、燃やす時には二酸化炭素が出ます。
しかし、木としての成長過程で、その分を吸収しているので、大気中の二酸化炭素の増減には影響を与えないんです。
これを「カーボンニュートラル」と言うそうです。
ドイツで家庭暖房の熱源ごとの二酸化炭素排出量を調査したデータを1度見たことがあります。それによると、薪はペレットの1/7らしいです。
(ただ、薪は火力調整が難しく、煙や燃えカスも多いのであまり実用的ではありませんね。)
ガスは3倍、石油は5倍、電気は10倍も排出しているようです。
さらに、ペレットの普及は林業の活性化にもつながります。
山を守ることは水資源の確保にも係わります。
また、国内での燃料の生産を増やすことで、輸入への依存度が低くなるので、海外情勢の影響を受けにくくなるという利点もあるそうです。
輸送中に発生する二酸化炭素の量を減らすことにもなります。
ところで、従来のペレットストーブといえば、煙突が必要なダルマ型が一般的でした。
しかし今では、ペレットを自動供給するタイプや、煙突を屋外に設置し、排気や吸気を行うファンヒータータイプのものも普及してきたとか。
温度管理も簡単に出来るようです。
(これは電気が必要です。)
ただ、ペレットストーブは今のところ費用が高いのが難点です。
そこで、寒さの厳しい地域の自治体では、助成金や補助金を設けて、普及推進に取り組んでいます。
現在は、灯油価格などと比較しても、お得感は少ないかと思います。
しかし、「ちょっと環境にいいことをしている気分になれる」
「灯油のにおいが嫌いだから、石油ストーブは使いたくない」
「炎の揺らぎや温かみが、何とも心地よい」
「灰が少なく、手入れが簡単」
と、価格以外の満足感を得ている人が多いようです。
もしあなたが、これからの暖房方法を迷っているのなら、選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
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