畳の上でゴロ~ンとするのって気持ちいいですよね。
お知り合いの奥さんの家には、6畳の和室が一部屋あります。
そこのお子さんたちは、自分の部屋にベッドがあるのに、わざわざ和室に布団を敷いて寝るのが好きです。(安心して寝がえりを打てるからだそうです)
赤ちゃん連れの友人は、「和室があると、赤ちゃんを安心して寝かせられる」と言うそうです。
そんな畳の歴史を、あなたはどれくらい知っていますでしょうか?
■ 日本だけの貴重な文化
日本は昔から、海外から様々な文化を受け入れて、それを自分たちの文化として磨き上げてきました。
しかし畳は、日本固有の貴重な文化です。
最初の頃は、インドから伝わった野生のイグサを改良栽培して織り、敷物として利用していました。
■ 現存する最も古い畳は、奈良時代(西暦710年頃)のもの奈良東大寺の正倉院に「御床畳」(ゴショウノタタミ)が保管されているようです。
ゴザのように薄いもので、木でできた台の上に置かれて聖武天皇と光明皇后のベッドとして使われていたものらしいです。
聖武天皇の死を悲しんだ光明皇后が、東大寺に献納したとのこと。
・・・・・子供の頃の私は、母方の祖父の家の畳の古さに恐怖を感じていました。
湿気でボロボロで、うっかりジャンプしたら穴が開きそうで。
なので、1300年も前の畳が現存しているなんて、奇跡としか思えません。
現在の畳のように厚みがあるものは、平安時代頃に誕生したようです。
時代劇の好きな方ならご存知でしょうが、当時は板間(フローリング!)が一般的で、板間の一部にクッションとして敷いていました。
権力を示すために、階級ごとに大きさ・厚さ・縁の色を変えていたそうです。
部屋全体に敷き詰めるようになったのは、室町時代のことらしいです。
それをきっかけに、「正座」をするようになったそうです。
■ 江戸時代には「御畳奉行」が登場
江戸時代に入っても、畳は権力を象徴します。
ですから、畳は大名などの武家にはとても重要なものだったようです。
畳を庶民が使えるようになったのは、江戸時代後半になってからだそうです。
「畳職人」という職業ができたのもその頃みたいです。
一畳の畳には、5000~6000本のイグサが使われているらしいです。これを手作業で仕上げるんですから、高価にならざるを得ませんよね。
■ 農村に普及したのは明治時代に入ってから
やっと手に入れた畳を、長く大切に使いたいのは当然。
ですから、こまめに畳を干したり、表がやけたら裏返して使ったり、長持ちさせる工夫は戦後まで続きました。
最近の住宅事情により、干す場所がなくなったり、住まいの洋風化で、畳そのものを使わなくなったり、畳の出番が激減しています。
やっとの思いで畳のある生活ができるようになった先人には信じられない光景かもしれませんね。
■ なくなって初めて気づくこと
先の奥さんのお隣さんの家は、和室がありません。
「畳はカビやダニの温床だし、手入れが面倒」とご主人が言い、奥さんの反対意見を聞き入れなかったとか。
でも今は、ゴロ~ンとするのが大好きなご主人が、ホームセンターで畳を買って、リビングの一角に敷いています。
「ソファーで寝たら、私たちが座れないじゃない!!」と、家族みんなに怒られてしまったからです。
そのうち、畳を知らない子供が増えて「四畳半」「六畳」と言っても、どれくらいの広さか理解できない時代がくるかもしれませんね・・・。
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