あなたも御存知かもしれませんが、アメリカなどでは、就職し安定した収入を得るようになると、今の暮らし方に合った中古住宅を購入することが多いそうですよ。
やがて家族が増えると、また暮らし方に合った家を探すんです。
もちろん新築する人もいますが、中古住宅は日本より身近な存在だそうです。
日本では、アパートや借家で生活しながら頭金を貯めて、一生に一回の家づくりをする人が多いですよね。
中古住宅は比較的安価で購入できるのは魅力的ですが、寿命が短い上に、劣化の程度が分かりません。
見えるところだけリフォームして、床下は腐っていた、という事例もあります。修理代に泣いた人もいることでしょう。
最近は、寿命100年や200年の家づくりを目指す会社が増えています。
そのため、その家の履歴(カルテ)をきちんと作って、安心して売買できるような仕組みづくりが始まっているんです。
現在の中古住宅市場には、まだまだ心配な面もありますが、数年後には、履歴がはっきり分かる中古住宅が増えていることでしょうね。
ところで、あなたは、「人生で最大の買い物は『家』ではない。『住宅ローン』だ」と聞いたことがありますか?
長期に渡って改修の必要がないように、良い材料を使って新築するので、どうしても金額が膨れ上がってしまうのが、今の日本の家づくり。
当然、借入金が増えるので、利息も多くなります。
そこで、「これはもったいない。とりあえず、今、家族が家に求めるものって何だろう」という視点で、家づくりを考え方を見直す人が増えています。
例えば、食器洗浄乾燥器や、24時間換気装置などは、いくら最新式のものを導入しても、次々と新型が出ます。
それに、寿命が来たら交換しないといけません。
新型は高価ですが、一つ前の型でもちょっとオトクですよね。
だから、「我が家に必要な機能がついていればいい」という視点で考えていくと、金額が膨れ上がるのを防げます。
また、「子どもが巣立ったら、暮らし方に合ったリフォームをしよう」という前提で家づくりをすると、考えるのも楽です。
これから数十年も満足し続けられる家づくりを考えるなんて、大変ですからね。
よく、「今は景気が悪いから、家を建てるのが怖い」
「でも、ずっと借家暮らしは嫌だし、早く借りないと主人の年齢が…」といった声を聞きます。
住宅ローンは長期戦なので、慎重になって当然です。
仮に2000万円を借りて2.0%で30年間支払った場合、総返済額は約2660万円。
金利が3.0%になると、総返済額は約3040万円になります。
景気が良かった頃は7%なんて頃もありましたから、利息を考えるとゾッとしますね。
「不景気」というのは、お金の使い方を考えるのには絶好の機会です。
耐震性や断熱性といった基本的な性能を満たす家をつくり、余計な利息を払わず、その分リフォームやメンテナンス・グレードアップなどの費用に当てる、という考え方なら、あなたに負担の少ない家づくりができることでしょう。
ただ、ハウスメーカーさんは、「バスルームはこの3製品から、キッチンはこの5製品の中から」などというように、使える製品に限りがあるようです。
「ある程度選択肢が狭い方が、悩まずにすむから助かる」という人には良いんですが、「自分達の生活スタイルに合ったものを選びたい」
「必要な機能が付いていればいいから、その分コストカットしたい」という人には向いていないかもしれません。
最近は、「低金利で、税金の優遇制度があるから絶好のチャンス」という宣伝も聞かれ、実際に新築する人が増えているのは事実です。
しかし、準備が整っていない人が慌てるのは危険です。
貯金などの準備期間に、「家づくりにどこまでお金をかける必要があるか」
「そこでどんな暮らしをしたいのか」などを家族で考えると、
「見栄を張って予算オーバーした。もう家を手放すしかない」
なんていう失敗を防げるんではないでしょうか。だから、決して慌てないで下さい。
自分たちの生活に必要な「家」のあり方を、ぜひ考えてみて下さいね。
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