乾燥する時期は、皮膚がすぐカサカサになりますね。そんな時、普段着用している化学繊維の肌着に対して肌が拒絶反応を示すことがあります。
綿やシルクといった天然素材の肌着に替えたら、調湿効果などのおかげで、肌の状態が安定しますよね。
私たちの素肌は、第一の皮膚。肌着などの衣類は、第二の皮膚。そして、第三の皮膚と言われるのが住宅です。
衣類は、体に合わなければ替えればいい。しかし住宅は・・・?
土地と合わせたら数千万円。ほとんどの人が、一回勝負です。だから、より体に良い家を求める人は、口を揃えて「自然素材の家が欲しい」と言います。
でも、自然素材って、あまりに漠然としすぎて、よく分かりませんよね。そこで、数回に分けて、自然素材について概略をお話ししようと思います。
まず今回は長所について。
自然素材の最大の長所と言えば、調湿性です。自然素材は、細胞の全てを使って空気中の水分を調整してくれます。ただ、表面に塗装をされると、その機能が働かないんです。
自然素材の床は、素足で歩いても足の裏がペタペタしないし、足元から熱が逃げるのを防いでくれます。特に、冬の床は分かりやすいですよ。
もし展示場に行く予定があるのなら、素足で立ってみるといいでしょう。「自然素材」をアピールしていても、あまり誠実ではない業者もいます。
もしあなたが足の裏でチェックを始めたら、営業マンは冷汗を流すかもしれませんね。
人間の体に良い湿度は、45~50%だと言われます。60%を超えると、カビが発生しやすくなります。反対に、余りに低すぎると、静電気が発生しやすくなったり体調に異常を来たす原因になります。
自然素材をうまく使うと、加湿器も除湿器もいらない生活ができますよ。
また、その色や香りの違いにも、重要な役割があります。
自然素材なので、どうしても色のバラツキがあります。スジの間隔も違えば、節もあります。
それは短所ではなく、凄い長所なんです。
室内が全て同じ色だと、脳への刺激が減ります。刺激が減ることで、疲労感に似た症状が現れることが分かっています。これは、大人よりも子どもに与える影響が、より深刻という話も聞いたことがあります。
太陽の動きを思い出して下さい。朝日が昇る時の空や町の色。昼間、夕方の色。天気によっても違いますよね。
「うわーっ、きれいだねえ・・・」と、見とれて動けなくなったことはありませんか?
また、散歩の途中、魚を焼く匂いや揚げ物の匂いにお腹が反応したことはありませんか?
刺激の少ない生活を送ると、創造性が養われないんだとか。
色や香りは、私たちが思う以上に、脳に刺激を与えてくれます。家の中にも上手に取り入れたいものです。今回は、自然素材の長所について、いくつかお話ししました。
次回は短所についてお話しできればと思います。
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