住宅の性能を示す数値として、「C値」「Q値」というものがあります。「数値が低い方が良いらしいけど、よく分からない」という声を聞くので、今回はそんなお話しをしますね。
「C値」とは、物の気密性をあらわす値です。延べ床面積あたりの隙間面積のことで、ゼロに近いほど隙間が少ないんです。
「隙間が少ない」=「気密性が高い」ということですね。
数値を公表している住宅会社をみると、最近は1.0や2.0といった値が目立ちます。C値が5.0以下だと「気密住宅」と表現できるんですが、その性能には大きな開きがあります。
あなたが気密性を追求したいのなら、はっきりと数値を示してくれる業者を選びたいですね。
次に「Q値」ですが、これは室内外の温度差1度のとき、住宅全体から床面積1㎡あたりで逃げていく熱量をあらわした値です。C値のように現場で測定するものではなく、机上の計算で求めます。
次世代省エネ住宅を建てる場合、求める数値は市町村単位で異なるものの、寒い地域の方が、より高い性能を求めています。
熱は、住宅の窓・玄関・床・壁・天井・換気扇・隙間などの、あらゆるところから逃げます。それを防ぎ、効率的な冷暖房で快適な住まいにするため、こだわりのある住宅会社は「C値」「Q値」を追及しています。
ただ、最近の家づくりの場合、計算された隙間ならまだしも、工事の不具合で出来た隙間だと、壁の中や床下での結露の原因になったりします。
高気密高断熱の家は、冷暖房の効率化で節電ができ、ヒートショックの発生率を減らせます。
ヒートショックは、冬に発生することが多く、お風呂や洗面所・トイレなどの極端な温度差が、
体に大きな影響を与えるもの。
毎年1万人以上の犠牲者がおり、交通事故による死亡者の2倍以上とも言われています。
最後に、高気密高断熱の短所についてもお話ししましょう。ファンヒーターやコンロの使用時は、より換気に注意しなければいけません。
また、屋外が快適な気温でも、室内は熱く感じ、冷房を使うことがあります。ほかに、室内が快適なので外出する回数が減る人もいます。
運動不足で足腰が弱くなるし、外界から脳への刺激が減るので、快適すぎるのも困ったもの。これは、高齢者だけではなく、私やあなたにも言えることではないでしょうか。
結局、大切なのは「自分たちに合った暮らし方ができる家をつくる」ということ。
家に合った暮らし方をするのでは、家をつくった意味がありませんよね。
「C値」「Q値」に限らず、家に求めたい性能の程度を調べておくと、接客スタッフとの打ち合わせの際も安心です。
「よく分からなくて、業者の言いなりになってしまった」と後悔したくありませんからね。
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