■ 3つの『動線』
動線と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが『家事動線』でしょう。
料理をしながら洗濯をし、洗濯が終わったら干し、乾いたら取りこんで畳んで収納する。
毎日何十年も続く作業ですから、特に家事動線は気になります。そのほかに重視したい動線は『生活動線』『接客動線』です。
この2つのポイントも押さえておくと、間取りの失敗を減らせると思います。
■ 生活動線
特に意識したいのが、高齢者や体が不自由な家族の動線です。『玄関から自室』『自室からトイレ』の距離が短いと、彼らの負担を減らせます。
あなたが犬や猫を飼っていたり、汗まみれで帰宅するお子さんがいる場合、『玄関からお風呂』又は『勝手口からお風呂』の距離が短いと床を汚さずにすみます。
お父さんの動線、お母さんの動線、子どもの動線・・・家族の動きを考えてみると、今の住まいの長所と短所が浮かんできますね。
■ 来客動線
つい忘れがちなのが『来客動線(接客動線)』です。
「お客さんがリビングや玄関にいるから、お風呂やトイレから出たくても出られない」という経験はありませんか?ご実家はそんな間取りで、何度も困った経験のある方もいらっしゃるでしょう。
「家族の接点を増やすためにリビング階段にしたものの、子どもの友達が出入りするたびに顔を合わせるのでストレスになる」と言う人もいます。
生活動線と来客動線が重なると、お互いに気まずい思いをするかもしれません。動線を考えないで間取りを考えると、住みにくい家になります。
折り込みチラシに間取り図があったら、練習がてら、家族の動きをシミュレーションしてみましょう。
動線を意識しながら、いろんな間取り図を見る習慣をつけておくと、新居の間取りを考える時にも役立ちますよ。
■ 和室も意外と難しい・・・
リビングと和室を隣接すると、広々と使えて便利ですね。でも、ご両親が泊まったり、来客を和室でもてなす場合、独立させた方が、生活動線と来客動線が重ならずにすみます。
3つの動線を短くし、重ならないようにするのは大変です。でも、考え抜いた家は、きっと快適に過ごせるはずです。
親戚やお友達の家も参考になるので、それぞれの動線の失敗談を、積極的に聞いてみるといいですね。
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