羽生建築工業のブログ

良い職人の条件

昔は、良い大工さんといえば、
腕の良い大工さんのことでした。

黙々と仕事をするベテランの大工さん。
私もそのような大工さんに仕事を教わりました。

特に構造材に墨付けして加工したり、
和室の納まりや階段など
非常に高度な技術が必要です。

最近の住宅は、機械技術の向上によって、
昔のような高度な技術が必要となることが
少なくなりました。

機械でプレカットして現場に配送されるので、
大工さんはそれを組み立てるだけです。

そのことにより、工期が短縮されたり、
間違いが減ったりと、家を建てる人にとって
メリットは大きいです。

その一方で、高度な技術を発揮出来る場が少ないので、
若い職人さんの技術が向上しません。

世の中、ロボット技術がどんどんと進化しているので、
このような流れになることは仕方がないことで、
当然の流れだと思います。

10年後には、きっと大工さんの数は激減している
と思います。

大工さんだけではなく、家づくりに携わるすべての職人さんが
当てはまると思っています。

そのような状況の中、
良い職人さんの条件とは何か?
ということです。

腕が良いことはもちろんですが、一番大事なことは、
「お客様と話をする」ということだと思います。

工事が着工するまでは、マイホームがどのようになるかは、
図面上だけしかわからないので、想像で色々と考えます。

キッチンに立った時のリビングの様子、
玄関から入った時の様子、
子供部屋で過ごすお子さんの様子、
すべて想像しかありません。

工事が着工して、図面通りに作業が進んでいきますが、
実際に建てた家が仕上がって、住んでからようやく
「ここに棚を付ければよかった」
「コンセントの位置をもう少し左にずらせば使いやすかった」
「クローゼットの内部は可動式の棚を付ければよかった」
など、後悔してしまうことがたくさん出てくる可能性が高いです。

家づくりは、一生に一度の高い買い物です。

後悔しないためには、工事中の現場に何度も足を運び、
現場監督や職人さんと相談をしながら、
最後まで満足する家づくりをしていかなければなりません。

そのような家づくりに関わっているすべての職人さんは、
技術が優れていることはもちろん、
「お客様と話をする」
ことが重要になってきます。

そのような職人さんだけが、多くの方から支持され、
ずっと仕事をすることができる職人さんだと
私は思います。


※写真は、福井市のH様邸です。
来月には完成見学会予定です。








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